ブログ詩56

「プリメーラ」

プリメーラ
一片の蝶が君にとまる
プリメーラ
嬉しそうに君はそれを眺めていた

風が透き通るこの丘で
出会った日のことを
君は語る

おとぎ話のように
通りすぎていく声
その柔らかさに目を閉じた

暗闇の中に広がる
追憶の世界
思い出の中から
君の香りがした

プリメーラ
プリメーラ
冷たい風に吹かれ
控えめに揺れる

プリメーラ
プリメーラ
この空を青くしたのは
消えない君のささやき

プリメーラ
風と遊び疲れてゆっくりと眠る
プリメーラ
嬉しそうに星空がきらめいていた

君の頬をなでてしまいたい
温もりになって君を覆いたい
君は眠る

おとぎ話のように
過ぎ去っていく日々
その儚さに心がふるえて

夜明け間近に広がる
幻想の世界
ぼやけた朝に
君が目を覚ます

プリメーラ
プリメーラ
冷たい風に吹かれ
控えめに揺れる

プリメーラ
プリメーラ
この空を青くしたのは
消えない君のささやき

プリメーラ

君の花びらを優しく撫でた…

ブログ詩55

「あのひのそら」

見つからない思いを
見上げたことのない空から
救い出そうとして
涙をなくした

一度きりの思いを
幸せと呼んで

雲の深みへと
この手を濡らす

見過ぎたね空
眩しかった太陽

寂しくてほら
ねぇ呼吸を止めて

四折りにした手紙の中からこぼれ落ちたネックレス
太陽の飾りに光るイミテーションが切なくて

広げた手紙が空に向かって飛んでいく
あなたの声がかすかに聞こえた

あの日の空を

見上げて

ブログ詩54

「そこにある無限」

永遠につづくものは
思考の世界にしか存在しないのか?

夢を見ること
愛すること
魂の輪廻

目の前にある君の温度がいつしか途切れてしまうように
この世は限界ばかりだ

息を吸い、吐き
生きる
人間の営みも有限
生物の存在も有限
地球の周回も有限

物質の無限を
目の前の無限を
皆が諦めるものに無限を…

そこにある無限は希望でしかないのか
机上の空論ではないのか

元素はどうだ
存在しつづけること
形はどうあっても無限でないのか

存在はどうだ
存在する、という事象は無限でないか

宇宙はどうだ
そこにある彼方は無限でないか

それならばと
宇宙に無限を求めたとき
僕は有限に包まれた限界という僕の世界をちっぽけに感じた

有限の世界は有限か

有限という仕組みにとらわれた世界が存在しつづけることは無限か

有限という仕組みにとらわれた世界が全て終わりを告げたとき

そこにあるのは無限か

有限がそこにあるとき

有限を繰り返す無限の世界があるのか
有限がなくなったとき
あとには無限の世界があるのか

そこにあるのは有限に裏打ちされた無限である

ブログ詩53

「バイバイ」

走っていくバイバイ
丘を蹴って
空をひっかいて

誰もいなくなったよ・・・

こんにちわって言われたら
こんにちわって返さなきゃ!
バイバイって言われたら
バイバイって返さなきゃ・・・

誰もいなくなったよ・・・

僕のバイバイがずっと丘に響いてる
あの人のバイバイはもう聞こえない

バイバイ言わないで
帰らないでよ
もっと僕と一緒にいて
寂しいよ
寂しいよ
泣いちゃうよ

こんにちわ
こんにちわ
こんにちわ

会いたいから
何回も叫ぶ

空は黙って
あの人のこんにちわを連れてこない

諦めたよ・・・

丘の上に登って
もう一回
バイバイって叫んだ
精一杯の声で
バイバイって叫んだ

もちろん
あの人のバイバイが返ってくることはなかったけど

空を駆け巡っていく僕のバイバイに
早くあの人のこんにちわを連れてこさせたくて

バイバイ
バイバイ
バイバイ

バイバイ
バイバイ
バイバイ

ブログ詩52

「冬着」

今年の冬に、カーディガンを着せて
掛け間違えた去年のボタンは、一つずつはずした

君のぬくもりを、冬のぬくもりだと思っていた
空しさを埋めるだけなのに、それはとても暖かかったんだ

あの日二人で巻こうとしたマフラーは短すぎて
二人でいた日々のように短すぎて

やっぱり巻けない、と今でも思うよ

去年の冬に、さよなら告げて
手袋を二つしまいこんだよ

今年の冬は、長いマフラーを巻いて
そこに、僕はいるんだよ