ありきたりな、本心のうた
遊覧船の上は
いつもかすかに揺れていて
不安だから君の手をそっとつかむんだ
握ったままよりそって
離れないようにしている
でも
二人、手をつないでいると
いつか離す日が怖くなる
なんのために君を離さないいでいるのかを
なんのためにキスをするのかを
だんだんわからなくなって
手放すこと、離れることか怖いだけで
気づけば
不安に揺れながら
ひとりよがり
潮風の音に
君の声をかき消され
聞き返せば君は
「なんでもないよ」と言い換える
そうやって
互いの気持ちを見失いながら
風の中黙って立っている
かつてはそうじゃなかったはずだよ
僕らは二人でいなきゃ立っていられない人間じゃなかった
一人で立てる人間だった
二人ならもっとしっかり立っていられる
君がいるから立ち続けられる
そんな人間だった
だから、手を離そう
つないでなきゃつながってない二人の関係はやめよう
船が揺れて倒れそうになったら
手を握ろう
手をさしのべよう
だからそのときまでは
この手は離そう
心の手だけつないでよう
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